丸紅ネットワークソリューションズ株式会社(以下、「丸紅ネットワーク」)は、自社のクラウド型AI映像監視サービス「TRASCOPE-AI(注1)」と、沖電気工業株式会社(以下、「OKI」)のAIエッジコンピューター「AE2100(注2)」、及びコニカミノルタ株式会社(以下、「コニカミノルタ」)のグループ会社であるMOBOTIX AG(以下、「MOBOTIX社」)の「MOBOTIX🄬ネットワークサーマルカメラ(以下、「MOBOTIXサーマルカメラ」)(注3)」を組み合わせることにより、オフィスや各種施設の入口などの通行者の体表温度測定・マスク有無自動検知・顔認証ソリューション(以下、「本ソリューション」)を開発し、2020年9月29日より試行運用を開始します。
- 背景
- 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、オフィスや工場、空港、駅、公共施設、商業施設、工事現場、ホテルなどでは従業員や利用者の入退場時の健康チェックが実施され、withコロナ時代の新たな働き方や生活様式(ニューノーマル)として、こうした施策の継続的な運用が求められています。一方で、厳重な健康チェックの実施はこれを受ける側、行う側の双方にとって負荷となっている面もあり、感染症対策と運用負荷軽減の両立が喫緊の課題となっています。
- この課題を解決するため、OKI、コニカミノルタ各社のアセットとノウハウを組み合わせた本ソリューションを構築しました。本ソリューションは体表温度が高い人やマスクを着用していない人を自動検知し、その人物を特定することで、感染症対策の効率的な運用を支援します。これにより、オフィスや各種施設などにおける安心・安全な入退場や感染拡大リスクの低減など、感染症予防の取り組みに貢献します。
- ソリューション
- 本ソリューションでは、MOBOTIXサーマルカメラを用いて対象者の体表温度測定を行うと同時に通常カメラでも映像を捉え、AE2100に搭載されたコニカミノルタ製マスク有無自動検知エンジンおよびSaffe社製(注4)顔認証エンジンが解析を行います。マスク有無自動検知エンジンは、コニカミノルタ独自の属性認識技術とディープラーニング技術により、高速で高精度な検知を実現しています。システム全体のインテグレーション・ソリューション化は丸紅ネットワークが担当し、解析された検知/認証結果はTRASCOPE-AI上で管理され、リアルタイムに確認を行うことが可能です。
- また、1台のMOBOTIXサーマルカメラで同時に複数人を認識し、それぞれの体表温度測定、マスク有無自動検知、顔認証を行うことが可能なため、複数人のチェックを実施する管理者の時間と手間を大幅に低減することが期待できます。複数台のMOBOTIXサーマルカメラ/AE2100をTRASCOPE-AIで管理することも可能であり、大規模な利用環境への導入もサポートしています。なお本ソリューションは自社システム環境での運用を希望されるお客様向けにはオンプレミス(注5)でも提供予定です。
- さらに本ソリューションは、解析結果が閾値を超えた対象者がいた場合、遠隔地の管理者へのメールなどによる即時アラーム通知や、顔認証機能を活用し社員データベースなどと連携した詳細な対象者把握のほか、表示灯などの外部機器との連携など、現地での無人運用を含む様々な運用ケースに対応可能とする多様な機能を実装します。
- 既存のシステムやサイネージなどと連携した運用を実現するための外部連携APIも具備しており、既存のロボットなどと連携し、アラームを検知したお客様へのマスク着用の呼びかけなどの自動化も可能です。
- なお、本ソリューションの開発にあたっては、各社の個人情報保護方針(注6)に基づき、人権の尊重、プライバシーの保護に配慮しています。顔認証機能の導入は選択制とするとともに、顔認証機能の利用について利用者本人の同意を得ることを前提としております。
- 今後の展開
- 本ソリューションの試行運用はまず、OKIが2020年9月29日に開催する「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト(注7)」の会場入口に設置して実施します。来場者の体表温度測定およびマスク有無自動検知に用いることで、コンテスト会場における感染リスクの低減に活用する予定です。
- 今後OKI、コニカミノルタ、丸紅グループは、本ソリューションの販売開始に向け、実証実験を継続的に実施し、OKIは映像AIソリューション「AISION®(注8)」商品、コニカミノルタはMOBOTIXサーマルカメラに付加する商品、丸紅グループはTRASCOPE-AIサービスとして販売していきます。本ソリューションにより、新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組むお客様をサポートしていきます。