アイスキャンディ「ガリガリ君」で著名な赤城乳業。同社の深谷工場では、業務に影響を及ぼすネットワークのトラブルが頻発したことから、丸紅ネットワークソリューションズに現地調査を依頼。同社は、高い技術力とノウハウをベースとする綿密な調査と、その結果に基づく的確な改善提案を高く評価し、ネットワーク刷新のパートナーに丸紅ネットワークソリューションズを採用した。年末年始に工事を完了し、有線LAN整備・無線LAN導入によりネットワークの安定化、無線化を実現。その実績をもとに本庄千本さくら「5S」工場もネットワークの見直しを実施し、両工場ともIoTに向けた基盤を構築できた。
会社名 | 赤城乳業株式会社 |
---|---|
設立 | 1961年(昭和36年)12月20日 創業:1931年(昭和6年)10月22日 |
本社所在地 | 埼玉県深谷市西島町2-12-1 |
事業概要 | 冷菓・氷の製造及び販売、一般食料品の製造及び販売、前各号に付随する一切の事業 |
URL | https://www.akagi.com/ |
財務本部
情報システム部 部長
吉橋 高行 氏
財務本部
情報システム部 課長
高橋 一仁 氏
導入の背景
1961年設立、世代を超えて愛されるアイスを生み出すアイスドリームメーカー、赤城乳業。年間販売数4億本を誇る「ガリガリ君」は、40年以上販売を続けるロングセラー商品だ。創業当初から定評のある冷凍技術のもと、同社の商品はみかん果肉をたっぷり詰め込んだ「ガツン、とみかん」など、思わず笑顔になる「おいしさとあそび心」にあふれている。
同社が目指すのは、小さくても強い会社だ。コンビニエンスストアでのアイス販売など、他社に先駆けて赤城乳業ならではの新機軸を打ち出してきた。同社は、生産性や品質をさらに高めるために、2022年に生産系のシステムを刷新・強化するなどITにも積極的に取り組んでいる。同社がIT戦略を進める上で、解決が急務だったネットワークの老朽化について、同社 情報システム部 部長 吉橋高行氏は話す。
「当社の深谷工場では、ネットワークの老朽化、ネットワークのループ、無線LANの未整備と、大きく3つの課題がありました。経路がループ状となり無限にデータ転送が続くループが発生すると、ネットワークがダウンし業務が行えなくなることから、情報システム部門がループ箇所を探し出し切り離していました。また荷受け、棚卸などで使うハンディ端末用に市販の無線LANを設置していたのですが、トラブルの際にどの機器が障害要因なのか、1台ずつチェックするのも大変でした」
深谷工場のネットワーク課題の解決にあたり、根本的な問題があったという。深谷工場は古い工場だったため、情報システム部門がネットワークの配線状況を把握できていなかったことだ。
導入のポイント
同社は、ネットワークの現地調査を複数社に依頼したが、コスト面で折り合いがつかなかったという。ネットワークの安定化が急がれる中、同社 情報システム部 課長 高橋一仁氏は丸紅ネットワークソリューションズに相談したという。「現地調査にコストをかけられないことも含め、深谷工場が抱えるネットワークの課題について率直にお話しました。丸紅ネットワークソリューションズは、現地調査を引き受けてくれました」
2018年5月に、丸紅ネットワークソリューションズは現地調査を実施。調査結果に基づく丸紅ネットワークソリューションズの的確な提案を高く評価したと高橋氏は話す。「物理的に配線が伸ばせないところを、指向性アンテナでカバーする。幹線全体を変えるのではなく、活かせる部分はそのまま利用することでコストの抑制を図る。当社の視点に立った提案は、高い技術力と豊富なノウハウに裏づけられたものでした。当初は有線LANのほうがネットワークは安定するとの固定観念があったのですが、丸紅ネットワークソリューションズから、1台機器が故障しても利用を継続できる冗長構成などのアドバイスを受け、配線の最適化を図るべく事務エリアも含めて無線化の導入を決断しました」
システムの概要
2018年11月、同社は丸紅ネットワークソリューションズの提案を採用。深谷工場において、有線LAN配線の整備では、古いネットワーク機器を監視・ループ対策が行える機種に変更。無線LAN導入に関しては、コントローラーレスによる容易な導入、クラウド上での一元管理を実現する、クラウドベースの無線LANソリューションAerohiveを採用。「工場内は、温度の低い場所、湿度の高い場所などがあり、それぞれに適した無線LANアクセスポイントを選定してもらいました」(吉橋氏)
工場が休業となる2019年年末・年始にネットワーク工事を実施。「実際に工事を行うと、調査では見えなかった細かい問題が露見し、一つ一つクリアしながら進めました。年末・年始内で工事を完了できたのは、スピーディーな対応をしてくださった丸紅ネットワークソリューションズのお蔭です」(高橋氏)
2020年に入り、本庄千本さくら「5S」工場でもネットワークのトラブルが頻発した。原因を究明したくても、情報システム部門にはネットワーク構成図もなかったという。「新しい工場だったのですが、ネットワーク構築をすべてゼネコンに任せていました。2020年9月に、本庄千本さくら『5S』工場も丸紅ネットワークソリューションズにネットワークの現地調査をお願いし、調査結果に基づき年末・年始に無線LANの整備も含めてネットワークを刷新。その後、当社大宮事務所にも無線化を展開しました」(高橋氏)
導入効果と今後の展望
ネットワーク刷新による導入効果について吉橋氏は話す。「業務に支障をもたらすネットワークのトラブルはなくなりました。情報システム部門の負荷も大幅に軽減され、IT戦略立案など本来業務に集中できる時間を創出できました。また、無線化によりペーパーレスで会議を行う文化を醸成できたことは驚いています。事務部門だけでなく、製造部門も日常的に会議室にノートパソコンを携帯し情報を共有しています。またこれまでのように、無線の届く範囲に移動してハンディ端末を使うといった非効率も解消できました。さらに、工場内のどこでも、工場の外でも電子帳票システムにアクセスし日報をつけることが可能です」
ネットワークの安定稼働では、機器の故障対応の迅速化が欠かせない。「ネットワークの障害は業務に影響するため対応に猶予はありません。丸紅ネットワークソリューションズは、余裕のある無線エリアの機器を外して一時的に故障した機器と交換するなどの対処法も含めて判断が早く、オンサイトでの迅速なサポートも心強いです」
運用管理面では、Aerohiveを導入した2つの工場と拠点に関して、管理画面を通じてクラウド上での可視化を実現。「障害が起きた場合にアラートが飛んできます。また障害箇所がすぐに把握できることはもとより、パフォーマンスを監視することで事前にトラブルの防止も可能です。また丸紅ネットワークソリューションズも同じ管理画面を見ることができるため、サポートの的確化、迅速化につながっています」
今後の展望について吉橋氏は話す。「ITを積極的に活用するためのネットワーク基盤は構築できました。次のステップでは、IoTが重要なテーマの1つとなります。生産機器のデータを集中管理し、それらのデータを分析して生産性の向上や故障予測などに役立てていきたいと思います。丸紅ネットワークソリューションズにはネットワークの安定稼働支援はもとより、社外ネットワークやIoT導入など先進的提案を期待しています」
アイスの可能性を切り拓く赤城乳業。丸紅ネットワークソリューションズは技術力と総合力を駆使し、同社のあくなき挑戦を支援していく。
資料請求、疑問、質問などにお応えいたします。
お気軽にご相談ください。
当社ソリューションに関する資料請求はこちらのフォームからお願い致します。