不確実な時代を勝ち抜くために企業変革に取り組む産業機械の総合メーカー、光洋機械産業。同社は、コロナ禍に伴うテレワークをきっかけに、ネットワークを全面的に見直した。セキュリティ強化、パフォーマンス改善はもとより、DX推進やクラウド利用への対応が、今回は重要なテーマとなった。同社は、豊富な知見に基づく提案力と優れた技術力を高く評価し、構築パートナーに丸紅ネットワークソリューションズを採用。2021年11月に、SD-WAN、クラウドプロキシなど先進技術を活用した次世代ネットワークが本稼働し、同社の現在とともに将来を支える。
会社名 | 光洋機械産業株式会社 |
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設立 | 1950年(昭和25年) 4月 |
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区南本町2丁目3番12号 |
事業概要 | 各種建設産業機械及びプラント機械、仮設機材、各種環境機器等の製造・販売 |
URL | https://www.kyc.co.jp/ |
経営企画室長 兼 管理本部管掌
取締役 上席執行役員
岩橋 茂治 氏
管理本部
情報システムグループ長補佐
清原 純 氏
管理本部
情報システムグループ課長補佐
柴田 崇継 氏
導入の背景
1950年創業、総合バッチャープラント、仮設機材、コンベアの分野で日本を代表するメーカーに成長した光洋機械産業。パンデミックなど不確実な時代を勝ち抜くために、同社はDX(デジタルトランスフォーメーション)による企業変革に取り組んでいる。変革を支える同社のIT戦略とロードマップについて、同社 経営企画室長 兼 管理本部管掌 岩橋茂治氏は話す。
「IT戦略には、大きく2つのテーマがあります。1つは、労働力人口が減少する中で、当社における人材リソースの最適化、人材不足の解消を、ITで支援していくロードマップを示すこと。もう1つは、DXにより新たな事業の柱をつくること。その一環として、従来人手に頼っていたプラントメンテナンス分野にCONNECT-iと言うゴーグル型端末で現場のお客様と弊社が画像と音声で情報を共有しメンテナンスのスピードアップと効率化を進めています。また光洋機械産業は出資先であるアイ・ロボティクスと共にドローンを利用し、機械化・遠隔化・自動化 を通した高所作業のDXに取り組んでいます」
IT戦略を策定した2020年に、新型コロナウイルス感染症の拡大が始まった。同社でも在宅勤務に向けて対応に追われたという。同社 管理本部 情報システムグループ長補佐 清原純氏は当時を振り返る。「無線ルーターを配布し、社内のノートPCを自宅で利用し業務が継続できる環境の整備に注力しました。しかし、急場しのぎであったため、セキュリティやパフォーマンスの観点から、在宅勤務を含むテレワークを本格導入するためにネットワークの見直しが必要でした」
同社は、コロナ禍のテレワークをきっかけにネットワーク刷新に着手。セキュリティ強化、パフォーマンス改善はもとより、IT戦略とロードマップ実現に向けてDX推進やクラウド利用への対応が重要なテーマとなった。
プラントの現場等でのドローンによる壁面塗装
導入のポイント
従来、各拠点からアクセスが遅いなどパフォーマンス改善の要望があがっていたと、同社 管理本部 情報システムグループ 課長補佐 柴田崇継氏は話す。「パフォーマンス低下の原因を調査した結果、ネットワーク機器の老朽化に加え、インターネット接続やサーバ接続のトラフィックが本社に集中しボトルネックになっているなど、構造的問題があることがわかりました」
ネットワークの構造的問題は、IT戦略が描くクラウド利用においても重大な課題となった。「ネットワークの現在と将来の課題の両方に応えることができたのが、丸紅ネットワークソリューションズから提案のあったSD-WAN(Software Defined-Wide Area Network)でした」(清原氏)
ネットワークをソフトウェアで制御するSDN(Software Defined Networking)技術をWANに適用したSD-WAN。評価ポイントについて柴田氏は話す。「DX推進を支えるネットワーク基盤には、柔軟性が必要です。従来の専用線を基本としたWANでは、トラフィック増加に合わせてネットワーク回線の容量を追加契約する必要がありました。回線選択に縛りのないフレキシブルなSD-WANの構築により、複数回線で負荷分散と冗長化を実現し、コストを抑えながらパフォーマンス改善や、可用性の向上が図れます。また、クラウドサービスを利用する際に、拠点から直接インターネット経由でアクセスするローカルブレイクアウトにより、インターネット接続によるトラフィックの本社集中といったボトルネックを解消できます」
SD-WANとともに、テレワークのセキュリティ強化を図るクラウドプロキシを組み合わせた提案も高く評価された。「ファイアーウォールの外側となる社外でのインターネット接続でいかにセキュリティを強化するか。その有効な解決策が、クラウドプロキシです。社外におけるインターネットの出入口を、クラウドプロキシ経由に限定することで、ポリシーの一元管理、リアルタイムの可視化、セキュリティ機能の提供により社外の防御壁としてユーザを脅威から保護します。クラウドサービスを利用するため、プロキシ設備の追加購入や運用管理が必要ないこともメリットです」(柴田氏)
導入のプロセス
2021年4月、同社は次世代ネットワークとして、国内で豊富な実績を持つSD-WANソリューション「VMware SD-WAN」、クラウドプロキシ分野を牽引する「Zscaler」を中心とする、丸紅ネットワークソリューションズの提案を採用。2021年5月にキックオフし、要件定義、PoC(概念実証)による検証を行い、同年9月から順次全国18拠点に展開し、同年11月末にプロジェクトは完了した。
業務継続の観点から、ネットワークの導入では的確かつ効率的な検証が欠かせない。「当社ではSD-WANに取り組むのは初めてでした。PoCでの検証項目や検証の仕方も、丸紅ネットワークソリューションズからアドバイスを受けて、事前検証で課題を抽出し早期に解決できたことは安定稼働につながっています」(柴田氏)
導入効果と今後の展望
2021年9月から利用を開始した次世代ネットワークは、同社の業務を支えている。「既存ネットワークに要するコストと同等範囲で、パフォーマンス改善、テレワークにおけるセキュリティ強化、柔軟なネットワークを実現できました。また、次世代ネットワークで可視化、原因内容を丸紅ネットワークソリューションズに相談ができ、今後の展開でもアドバイスしていただきたいと思います」(清原氏)
安定したパフォーマンスを維持するために、VMware SD-WANの管理画面を使って回線状況を可視化しているという。「従来は、回線トラブルが起きたことをユーザからの苦情で知るケースもありました。今は、リンクダウン(通信不能)すると、アラートがメールで飛んできます。また、回線のリアルタイム監視により事前にトラブル発生を回避することも可能です。さらに、社内に対して原因と解決方法を説明できることで、社員のフラストレーションも軽減できます」
柴田氏は、ディスカッションパートナーとして丸紅ネットワークソリューションズの存在は心強いと話す。「丸紅ネットワークソリューションズと一緒に解決策を考えてもらうことで、先進技術でネットワークを刷新することができました。今後も当社の視点に立ったアドバイスや提案をお願いします」
今回、ITのロードマップの実現を支えるネットワーク基盤を構築できたと岩橋氏は話す。「人材不足の解消では、働く場所を選ばない環境が必要です。例えば、テレワークにより拠点にいながら本社の経理業務を行うことも可能です。転勤しなくても、ネットワーク上で人材を再配置できることは、柔軟かつ最適な人事戦略を実現します。人材確保の面でもテレワークは重要な要素です。今後は、次世代ネットワークをベースに柔軟な組織づくり、DX推進に向けて歩みを進めていきたいと考えています」
70周年から100周年へ、新たな事業領域で飛躍を目指す光洋機械産業。同社のディスカションパートナーとして、丸紅ネットワークソリューションズは技術力と提案力で支援していく。
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